「一日でも早く、立派な一人前の整備士になってみせるんだって、いつも言っているの。
 それからじゃないと挨拶にいけないって…ヘンな所で真面目なの。
 最初はどこか掴み所の無い人だと思ったけれど、とても素敵な人なんだよ。
 ねえ、ちゃんと聞いてる?…照れてるの?もうすぐの話だと思うんだけどなあ。
 …その時は追い出さないで、ちゃんと話を聞いてあげてね。」


朝の食卓。
それはいつもいつも聞かされていた話だった。
そして、それが最期の会話だった。