「なかなか上手いですね。」
「だから言っただろ、結構上手いって。」
「あーあ、普段かっこいい人がかっこ悪く転ぶ所も見てみたかったんだけどなあ。」
「…お前な。」
「こんにちは!」 学校から自宅までの通り道なのかハヤトは定時から暫く経ったこの時間によく顔を見せる。 挨拶をしながらスケボーを巧みに操りヒューの横で急停止する。 なかなかのテクだ。 被っていたヘルメットを取るとスケボーを抱えヒューが整備するバイクの傍へと歩みよる。 「バイク、じっくり見せてもらってもいいですか?」 「ああ、別に構わないけど…その代わりお前のスケボー貸してくれよ。」 珍しく子供っぽい笑みを浮かべてヒューはハヤトに交換条件を持ちかけた。 「え?嫌ですよ、僕のスケボー使って車の下に潜るんでしょ?」 ハハハ、と笑いながらそう言うハヤトの表情はまだどこか幼く悪戯っ子のような印象を受ける。 その様子にヒューは苦笑しながらハヤトの冗談を軽く流した。 「あのな、本物の寝板があるのにわざわざスケボーなんて使うわけ無いだろ。普通に使うんだよ、こう見えても結構上手いんだぜ。」 「…え、だって、ほら。」 ハヤトが指差す方を見やるとトビーズがその「本物」に乗って走り去っていく。 なかなかのテクだ。 寝板をあそこまで上手く乗りこなせる乗り手はそう居ないだろう。 あっという間に二人の視界からトビーズが消え、暫く頭を掻いていたヒューがもう一度ハヤトの方へと向き直る。 「…ハヤト、スケボー貸してくれ。」 「え、だから嫌ですよ。スケボー使って車の下に潜るんでしょ?本物がないから。」 半分吹き出しそうになりながら言うとハヤトは言葉とは裏腹にスケボーをヒューへ差し出す。 「バカ、これ使ってあいつ等追いかけるんだよ!」 地面を蹴りスケボーを走らせるヒューの表情はどこか不敵で、そして楽しげだった。 ******************** リクでヒュー兄さんとハヤトです。絵は、奪還その後です(笑) ハヤトといるとちょっと幼くなる兄さん、といったカンジで描いてみました。 しかしハヤトが可愛くかけない…。あと寝板が凄い勢いでウソです(爆) ちなみに「寝板」は通称らしいです。多分クリーパーが正式名称。 04/09/26 |
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