微かに差し込む日の光に俺は漸く目を覚ました。
 辺りを見回して見慣れぬ部屋にいる事に気がつきアレは夢じゃなかったんだ、と改めて思い直す。
 自分の横を見てみるとヒューは既に起きて朝の準備でもしているのかその姿は見当たらなかった。
 寝起きはいい方なのだが疲労が溜まっていた所為かヒューが起きたのにも全く気がつかず普段起きる時刻よりも随分と寝過ごしてしまったようだ。

「なんだよ昨日は人に行くな…。なんて言っておいて。」

 寝癖でボサボサになった髪を掻くとゆっくりとベッドから降りる。
 廊下をノビと大あくびをしながら通り抜けリビングへ入るとキッチンからヒューが顔を覗かせた。

「あ、ああ、お、おはよう、よく寝れたか?」

 …どことなくヒューがぎこちない。
 俺は途中で寝てしまって覚えていないが多分朝までヒューは俺を抱っこしたままだったんだろう。
 起きてさぞかしビックリしたに違いない。

「ああ、よく寝れたよ。」

 何事もなかったかのように俺はリビングのソファに座り朝のニュースへと目を向ける。

「そっか、ならいいんだ。もう直ぐ朝食が出来るから…ああ、今日からどうする?この街を探索でもするか?」

 ヒューの言葉で気がついた。
 そうか、仕事があるわけでもないしバイクは動かないし…。
 ヒューが仕事している間俺は特にする事がないんだ。

「そうだな、ヒューの都合が悪くないなら整備場で仕事の手伝いしようか?整備に関しての知識はそこそこあるから。」
「本当か?それは助かるかも…今丁度忙しかったから、もしそうしてくれるのなら本当嬉しいよ。」

 多分仕事の量が減る事よりも殺風景で淋しい工場という空間に同じ趣味の人間が増える事の方が嬉しいのだろう。
 本当に嬉しそうに笑うヒューの笑顔を俺は何故か照れて直視できなかった。


12


添い寝シーン番外
(1Pヒューからの視点(裏要素アリ))


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