「おやっさん、一体何があったってんだ?」
「…お前、整備士のボウズが一般人のクセにバカに強いっていってたよな。その答えがこれだ。」
バサっという音とともにテーブルの上に乱暴に書類が投げ出される。
書類を掴み、手早くめくるKKの目がみるみるうちに驚愕に見開かれた。
「ちょ…おやっさん、これマジかよ。」
「マジも大マジだ。お前本当に気がつかなかったのか?」
「…全然。」
「お前を騙すとはとんだペテン師だな。お前人をみる目だけは確かだからなあ。」
褒めているのか貶しているのか分からないGの言葉にKKは眉根をひそめた。
そしてそのままアゴの無精ひげを指で擦る。
「俺を騙す程のペテン師か、もしくは自分ですらこの事実を知らないのか…多分後者だと思うけどな。」
「まあどちらにしろ、誤って処理しちまわないでよかったな。処理してたらこっちが危ない所だった。」
Gが軽く肩をすくめる。
KKはざっと目を通した書類を再び乱暴にテーブルへと投げ出した。
書類の合間から覗く青い髪の青年の写真に目を細める。
「とりあえず、明日確認してみる。」